精神分析におけるセックスとジェンダーを学ぶ会2021年第5回

2021年9月18日、「精神分析におけるセックスとジェンダーを学ぶ会」第5回を行いました。今回はTyson,P. & Tyson,R. (1990) Psychoanalytic Theoryies of Development: An Integration. Yale University Press. 皆川邦直、山科満監訳 (2008) 『精神分析的発達論の統合②』を取りあげました。

発表では男女両方の精神性的発達が取りあげられましたが、ディスカッションでは主に男性の傷つきや生きづらさについて議論されました。身体的な男らしさがペニスに限局されることによる身体性や情緒性を感じることの難しさ、タフであることが求められ、感覚や感情を感じることが禁じられること。

そのような男性の生きづらさは、身体や情緒を用いる活動(ケアや子育て)から男性を遠ざけ、権威的な場に空虚に鎮座させることに繋がります。それは当然、女性の生きづらさをももたらすでしょう。男性の生きづらさ、女性の生きづらさは相互に関係しあうものであり、別々には論じられません。